Factory / Manufacturing
青山眼鏡はFACTORY900が立ち上がる以前、OEM(Original Equipment Manufacturing、他社ブランドの製品製造を請け負うこと)に特化していた時代があり、世界的な眼鏡生産地である鯖江のプラスチックフレームメーカーとも深いつながりがあった。その関係の中で、他のメーカーで作成不可能と言われたものが続々と依頼として多く持ち込まれた。そのあらゆる無理難題を「無理」と言わず、チャレンジしてきたスピリットが、現在、世界の中でFACTORY900でしか実現できないと言われている特殊なプラスティック造形技術へとつながっている。
一般的に、プラスチック製メガネの製造方法はアセテートの板状のシート材を曲げて切削していく方法と、粒状のペレット材を熱で溶かして液状にし、金型に流し込んで整形するインジェクション (射出成形) と呼ばれる方法の2つに分けられる。前者は手作業の占める割合が非常に大きく、手間がかかるため生産数も限られる。後者の方法は金型さえ作れば、形の自由度が高く、量産がしやすい。そのため、アセテートに限らず世の中のプラスチック製品のほとんどは、この製法が用いられている。FACTORY900 の眼鏡は非常に自由度の高い造形であるため、インジェクションによりつくられたものだと誤解されることも多い。しかし実際はアセテートのシート材から曲げと切削によって製造されている。そしてその製造法の中にあっても世界で唯一無二の技術を確立しており、どのようなプロセスを経て生み出されるのか想像もつかないと言われている。そのノウハウは一切、明らかにしていない。
職人たちは腕を磨き、目を肥やし、その延長線上として工作機械すらも自社で開発し、それを動かす技術を向上させてきた。機械だからといって、誰が使っても同じではない。事実、過去に青山眼鏡株式会社が使っていた機械を他社に譲った際、「同じ眼鏡を作れない」と言われることがあった。
人が手を動かし、機械をも作り、その機械が人を助け、そこに人がまた手を入れる。
この手法こそ現代のクラフトマンシップ。 その過程すべてに100年を越える時間で培われた技術を吹き込むからこそ、二次元で描かれた斬新なデザインを、正確な立体造形として作り出すことが可能となっている。